2023-12-12
夫や妻、親などが亡くなった場合、相続人は被相続人の財産を継承するのが一般的です。
しかし、虐待や非行などを過去におこなっていた場合、相続欠格になる可能性があります。
では、相続欠格とは一体どのようなものなのでしょうか。
今回は不動産相続における相続欠格とはなにか、当てはまるとどうなるのかや相続廃除との違いについて解説します。
横浜市、川崎市、湘南エリアで、土地や建物を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、相続欠格とはどのような制度なのかを解説します。
相続欠格とは、民法891条で定められている相続人が、遺産を相続する権利を失ったり剝奪されたりする制度です。
不当に財産を受け取ろうとしたり、過去に被相続人に虐待をしたりした相続人に対しておこなう制裁措置となります。
相続秩序を侵害するようなことをしていた相続人は、相続する権利を法律上失うことになります。
民法では、遺言書の内容に関わらず、遺留分を取得することが可能です。
遺留分とは、一定の相続人に認められている遺産の最低限の取り分のことで、侵害された分を主張し、受け取れる制度となります。
そのため、遺言書に「すべての財産を知人のA子に渡す」といった内容が記載されていたとしても、一定の相続人なら最低限の遺産は受け取ることが可能です。
相続欠格となった場合、この遺留分を受け取る権利も失ってしまいます。
相続欠格となる事由とは、下記の5つです。
被相続人または同順位以上の相続人を、故意的に死亡または死亡させようとし、刑に処せられた場合は相続欠格になります。
たとえば、親が土地や現金などをたくさん所有していて、自分が多く遺産を取得するために、兄弟や姉妹を殺害するケースです。
また、被相続人が殺害されたことを知りながら、告発や告訴をおこなわなかった場合も該当する可能性があります。
詐欺や脅迫により、遺言の取り消しや変更を妨害したり、遺言を撤回させたり変更させたりした場合も同様です。
遺言書を破棄したり、隠蔽したりすることも、事由のひとつです。
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続いて、相続欠格になるとどうなるのかについて解説します。
相続欠格となった場合、まずどうなるのかというと、相続・遺贈ができなくなります。
相続人の行為が相続欠格の事由に該当する場合、ただちに遺産を取得する権利を失います。
つまり、被相続人の所有していた不動産や現金などを、承継する権利が剥奪されるということです。
自動的に相続権が失われることになります。
該当した場合、遺言書は優先されなくなります。
通常は、相続では遺言書の内容が尊重されることになります。
「特定の相続人に多く遺産を取得させる!」という内容だった場合、遺言書が優先されるということです。
そのため、遺言書が優先されるとお考えになる方もいらっしゃるでしょう。
先述のとおり、民法では遺言書の内容に関わらず、一定の相続人には遺留分が認められているため、最低限の遺産は取得することが可能です。
しかし、相続欠格は相続する権利を失ったり相続権を剥奪されたりする制度なので、遺言書は優先されません。
相続欠格した方に子どもがいる場合、遺産を取得する権利は子どもが有しています。
この制度を代襲相続と呼び、親が相続欠格で相続権を失ったり剥奪されたりした場合にも適用されます。
ただし、代襲相続は、被相続人の子どもおよび兄弟姉妹にのみ認められたものです。
相続放棄以外の理由で相続権を失った場合、その子どもが代わりに相続分を取得する制度となります。
相続欠格は、特定の被相続人のみのあいだで発生する制度です。
そのため、ほかの被相続人の相続の際は相続欠格に該当しません。
たとえば父親が亡くなり、長男が相続欠格となっても、母親の遺産相続の際には相続欠格に該当しないということになります。
親を死亡させた場合は、代襲相続は不可となります。
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最後に、相続欠格と相続廃除の違いについて解説します。
違いとしてまず挙げられるのが、被相続人の意思により決定することです。
先述のとおり、相続欠格とは、一定の相続人が遺産を相続する権利を失ったり剝奪されたりする制度となります。
強制的に権利を失うのが大きな特徴です。
「Aさんには遺産を渡したくない…」という感情を持っている場合、相続廃除は有効な手段となります。
ただし、対象者となるのは、最低限の相続割合を取得できる方のみです。
遺留分を有していない推定相続人は、遺言書で相続分なしとすることができるため、遺留分を有している相続人のみに限定されています。
相続廃除には、条件があります。
相続廃除の対象となる者の条件として、下記が挙げられます。
上記のようなことがあった場合、被相続人の意思に基づき、相続廃除の手続きをおこなうことになります。
相続廃除の手続きをおこなう場所は、エリアを管轄する家庭裁判所です。
認められるか否かは、家庭裁判所が判断することになります。
もし遺言書で相続廃除の意思を明確にしていた場合、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てることになります。
そのため、遺言書で意思表示をおこなう場合は、遺言執行者を決めておかなくてはなりません。
また、家庭裁判所で認められた場合でも、被相続人は生前ならいつでも取り消すことが可能です。
取り消しの請求も、エリアを管轄する家庭裁判所にておこなうことになります。
ちなみに、相続欠格を撤回する場合は、被相続人の生前に相続欠格者を許してもらう必要があります。
許しを得たあと、別の方法(生前贈与や生命保険の受取人)で遺産を受け取ることになるのが一般的です。
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相続欠格とは、民法891条で定められている相続人が、遺産を相続する権利を失ったり剝奪されたりする制度です。
該当した場合どうなるのかというと相続・遺贈ができなくなったり、子どもがいる場合は子どもが代襲相続人となったりします。
相続廃除と違い、被相続人の意思により決定したり、家庭裁判所で認められた場合でも、被相続人は生前ならいつでも取り消したりすることが可能です。
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